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岩本 昭; 山路 修平*; 末包 昌太*; 原田 吉之助
Progress of Theoretical Physics, 55(1), p.115 - 130, 1976/01
被引用回数:57二中心殻模型を用いて、アクチナイド領域核の核分裂の性質を調べた。計算は質量数232から252に到る約30の核種につき行ない、Strutinskyの方法でポテンシャルエネルギー表面を求めた。特に核分裂の第2障壁付近における分裂片質量の非対称性について詳細に調べた結果、非対称変形によってポテンシャルエネルギーは大部分の核において2~3MeV下がることが分った。又このようにして求まった第2障壁、第2極小点及び第1障壁の高さは、実験値をほぼ再現している。さらに特徴的な結果は、実験的には古くから知られていた事実-非対称分裂の際、重い分裂片の質量は親核の質量によらずほぼ一定になる-をうまく再現できることである。この性質が生じた原因を、一粒子エネルギーの振舞いを通して説明した。